米坂線・左沢線・仙山線

鉄道の写真を撮るだけでなく、乗り潰しもしようと思う。

米坂線

2017年5月26日金曜日。大宮駅6:34発のとき301号。始発の新幹線だ。出張客で混んでいるかと思ったが、意外とすいている。約2時間で新潟駅に到着した。平日の朝8時半だというのに東京と違って穏やかな空気が流れている。


東京を朝一に出るこの新幹線に米沢行き快速べにばな号に接続する。これから3時間くらい乗り通すわけだが、特急と違ってただの普通のディーゼルカーである。椅子がとても固いのだ。座り心地は悪くとも最新型のディーゼルカーだ、軽くエンジンを吹かすとすいすいと加速していった。
羽越本線坂町駅まで来るとしばらく停車し、本日の目的である米坂線に分岐していく。本線から分岐していくローカル線の旅情について作家の宮脇俊三が熱く書いていた。彼の分類を参考にすれば、米坂線は本線に名残惜しさを感じながらしばらく並走する事なく、あっさりと振り切って別れてしまうタイプである。坂町駅を発車したら直ぐに向きを変えると、あっという間に羽越本線は見えなくなった。
越後下関駅を出ると山間部に入っていく。右へ左へカーブしながら、荒川にそって山を登ってくゆく。小国駅は駅前に工場があり、栄えている。


いつの間にかサミットを越え、山形県に入る。羽前椿駅まで出れば米沢盆地である。
今泉駅では山形鉄道フラワー長井線と接続する。
終点の米沢駅には11:31に着いた。米沢駅からは奥羽本線11:36の山形行きなので、とても良接続が良い。奥羽本線山形新幹線として改軌されている。ローカル線のヘロヘロな線路と比べて、新幹線用の幅の広い線路は安定していて乗り心地がとても良い。山形には12:25に着いた。

山形市

左沢線の発車まで3時間くらい空くので、適当に市内を観光する。旧山形県庁文翔館。昭和50年まで使われていた。とても雰囲気があって、よく保存されている。


左沢線

左沢線(あてらざわせん)は北山形駅から分岐して終点の左沢まで向かう盲腸線である。列車は全て山形駅まで直通する。山形駅を発車すると、しばらく奥羽本線と並走する。先頭車の窓から見ると新幹線用と在来線用のレールの違いが良くわかる。
しかし、ここでちょっと問題が生じた。北山形駅の出発信号機がなかなか青にならないのだ。運転士は無線でなにかやりとりしている。放送によると、遅れている奥羽本線の接続を取るとの事。これはちょっとまずい。予定では終点の左沢到着後、8分で折り返して、さらに北山形に帰ってきたら4分で仙山線に乗り継ぐ予定を立てていたのだ。遅れがなければ素晴らしく効率的な乗り継ぎとなるはずだったが…… 時計を見ると発車予定時刻を10分以上過ぎている。結局左沢には12分遅れで到着し、1分後には折り返しが発車した。



仙山線

仙山線左沢線の到着を待ってから発車した。4両編成の車内は高校生で意外と混んでいる。しかし、仙台近郊の住宅地を抜け、高瀬駅辺りからすいてくると共に山の中に入ってゆく。
芭蕉の句で有名な山寺駅辺りから崖が切り立つ渓谷沿いになる。面白山高原(おもしろやまこうげん)駅は何が面白いのかよくわからなかった。

しかし、県境を越えるあたりは何もない。窓から人工物は見えないし、携帯の電波も入らない。宮城県に入ったら鬱蒼と霧に包まれ始めた。
仙台が近づくにつれて乗客が増える。立つ場所も無いくらいになって、ようやく仙台駅到着。

仙台駅は駅ビルが充実していて良い。牛タンも美味い。
仙台から新幹線に乗れば、1時間でもう埼玉である。普通列車の硬い椅子に揺られて峠を越える事を思うと、新幹線は魔法みたいだ。