上毛電鉄・わたらせ渓谷鉄道

 2017年4月29日土曜日。Maxたにがわ309号は9:49、定刻通りに高崎駅に到着した。新幹線に乗れば大宮からたった30分で高崎である。このカッコ悪い2階建て新幹線も、じきに廃止になるという。やはりせまい階段を昇り降りするのは面倒だ。

 高崎駅から両毛線直通に乗り換え、15分くらいで前橋駅へ。前橋は県庁もある群馬県の経済の中心だというのに、鉄道は少し離れた高崎駅に集まっている。こういう場合、昔の人は鉄道建設に反対したら城下町から離れたところに鉄道が通されたんだとする鉄道忌避説が囁かれるが、実態は違う場合が多い。地図を見て見ると、利根川を避けて長野まで直線ルートを描くと、高崎付近で信越線と分岐するのは必然に思える。

 さて、JR 前橋駅から少し歩いたところに上毛電鉄中央前橋駅がある。しかし中央とは名ばかりで、すこし寂れたまちのはずれにある。駅舎は綺麗に建て替えられてしまっているが、ホームは昔ながらのアーチ型の屋根がかかり地方私鉄っぼさを醸し出している。



 2両編成の電車は京王井の頭線の中古車だった。へろへろの線路を限界まで飛ばすのでけっこう揺れる。しかし実際はそれほど速度は出ていないのだろう。

 40分くらいで東武線との乗り換え駅、赤城に到着した。赤城駅からは東武特急りょうもうで浅草まで行ける。乗り換えの事を考えると、新幹線よりこっちの方が良いのかもしれない。

 赤城駅からはわたらせ渓谷鉄道の撮影スポットまでひたすら歩く。わたらせ渓谷鉄道の運行本数の少なさを考えると、30分程度なら歩いた方が早い。

 S字カーブ曲がりながらディーゼルカーがちょこんと現れる。新緑がとても鮮やかだ。このスポットは桜で有名らしい。ぜひ桜の季節にもう一度来たいと思った。


 大間々駅から少し歩くと、高津戸ダムに辿り着く。周辺が公園として整備してあり、気軽に見学できる。堤高29メートルの小ぶりな重力式コンクリートダムながら、自然に溶け込んだその眺めは圧巻である。


 帰りは大間々駅からわたらせ渓谷鉄道に乗って帰る。桐生行きとあるが、途中の下新田からJR 両毛線に乗り入れる。そういえば、わたらせ渓谷鉄道は元国鉄足尾線だったのだ。JR 線との明確な境界もなく、しれっと両毛線に入る。

 桐生駅からは両毛線高崎行きに乗ったが、疲れからか目が覚めたら高崎だった。