selector infected WIXOSS

 このアニメは絶望する少女を描きたかっただけなんじゃないか、そんな気すらしている。設定としては、ひょんな事から選ばれた少女達が己の願いのために決死の覚悟でカードバトルに挑むというありがちなストーリー。願いの為に戦うとか、まどかマギかを彷彿させるし、実際まどマギ的なダークな精神描写も多い。

戦いに負けて絶望する少女

 「友達が欲しい」と願って戦う少女が出てくるのだけど、ヒロイン達と交流するうちに友達になってゆく。別にバトルに勝つ必要なんてないじゃん、と思わせた所でちょっとした不注意で完敗を記して絶望に堕ちてゆく。その表情がえぐい。そして二度と友達を作れない身体になるとか、設定がえぐい。

禁忌の愛を描く背徳感

 ヒロインの友達は兄弟同士の恋愛、近親相姦を望むのだけど、その背徳感の描写がえぐい。クラス中で「気持ち悪ーい」とひそひそ話するとか。

閉塞感の描写

 何も信じられなくなって閉塞感に苛まれる雰囲気が背景の描写を通してありありと伝わってくるのがえぐい。


願いを叶えると言って立ち去る友達。路地から明るい世界に飛び出していくようだ。


バトルの末に友達を失って、路地をさまよい歩くヒロイン。薄暗く閉ざされた路地は閉塞感の象徴。逃げられない状況の中、現れたのは・・・

そして結末は

 結局の所、理不尽な設定を覆すようなヒロインの願いだとか、友情の暖かさだとか、そういうありきたりな所に落ち着きそうな雰囲気。だがしかし、そうしたハッピーエンドが見たいんじゃない。不条理・背徳・絶望、そういうダークな描写が見れる3話から9話辺りが本作の見所だと思います。