「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」「心が叫びたがってるんだ。(実写版)」「魔法少女リリカルなのはRefrection」

 なるべくネタバレしないように、具体的な描写には触れないで感想を書いてみようと思う。

ノーゲーム・ノーライフ ゼロ

 ラノベ原作アニメの劇場版らしいんだけど、僕は原作もアニメも全くチェックしていない。全くの初見の状態で劇場に足を運んだのだけど、初見置いてきぼりな展開もなく、とても楽しく鑑賞できた。
 テーマは弱者の反乱と、ロリ少女の恋愛。荒廃した世界で主人公達は強者に虐げられ、生きる希望もなにも無い。しかし、ひょんな事から出逢ったヒロインの少女と交流するうちに、反撃の狼煙を上げることを決意する。そんな主人公と行動を共にする少女も、豊かな感情を表すようになる。そして2人は…
 最後の方は、一昔前に流行った「セカイ系作品」よろしく、「僕」と「あなた」の関係が「世界」の存亡そのものに匹敵するように描かれ、感動のカルタシスとなる。
 いゃあ、脚本が素晴らしい。描くべきテーマをしっかりと設定して、必要な伏線や描写を丹念に積み重ねる。そして、主人公とヒロインの微妙な心の変化を丁寧に描き出す。こういう基本的な所がしっかりしてるから初見でも楽しめるのだろう。

心が叫びたがってるんだ。

 同名の劇場版アニメの実写化。一言で言ってしまえば、面白いんだけどアニメは超えられないなぁというところ。
 アニメではジメジメした心の闇というか、ある意味オタクっぽさを上手く表現していたと思うんだけど、実写ではそれが無味乾燥に脱臭されてしまっている。この作品は爽やかな青春恋愛ストーリーじゃないんだよ、もっとこうジメジメしたトラウマというか心の闇に、観てるこっちが恥ずかしくなるくらいじゃないと。
 ヒロインの女の子の役者は可愛かったです。

魔法少女リリカルなのはRefrection」

 期待していただけに残念というのが正直なところ。僕は前作もTVシリーズも好きで贔屓目で見たいんだけど、初見の人が楽しめるのかというと疑問符をつけざるを得ない。
 まず序盤で新キャラの姉妹が感情的に言い争うんだけど、なんでそこまで熱くなってるのか説明というか根拠が示されてないのね。つらい生活や楽しい思い出とか、そういう描写を丁寧に重ねてこそ、激しい口論に説得力が増すんじゃないかしら。いきなり喧嘩を始められても、ただのギャグにしか見えないよ。
 そういう必要な描写をせずに、ひたすら戦闘シーンに尺を割り当ててるんだよな。確かに戦闘シーンの迫力は凄いし、ゲームで遊んだ事があれば魔法や技を知ってるから楽しめるんだけど。
 とはいえ、前作までのキャラやストーリーをちょこちょこ出てるし、今までのファンを大事にして作品を作っているのはわかる。でも新たに初見で観た人が置いてきぼりになるのはどうかと。前作、前々作が初見で楽しめるように上手く構成されていただけに残念である。