『学校を出よう』〜谷川流、その中二病な世界〜
学校を出よう!―Escape from The School (電撃文庫)
- 作者: 谷川流,蒼魚真青
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 118回
- この商品を含むブログ (167件) を見る
あらすじ
ひょんなことから超能力者だらけの学園で過ごす主人公は、平穏な暮らしに戻りたいと願う日々…
といった感じの学園異能系。
タイトルは超能力者だらけの学校から出たいという意味みたい。
後ろ向きで中二病な主人公
激しくネタバレすると、ラストシーンでヒロインの存在と世界の安定、どちらか一つ選択を迫られるのだけど、その答えが興味深い。
「決められるか、バカ」
ヘタレといえばそれまでだが、主人公の世界観がよく表れた答えだと思う。彼の白昼夢でこんな描写がある、
「あなたの主観は本当にあなたのものですか?
それが誰かに植え付けられたものではないとなぜ解るのです?(中略)
あなたの脳が都合よく生み出した幻聴では、
本当にないのでしょうか?」
今存在するこの世界に対して疑問を呈しているのである。ファンタジーで世界観に疑問を言い出したら、そもそもお話が成りたたなくなると思うのだけど、あえて作者は問うているのだ。