ネタバレあり。「ラ・ラ・ランド」「ハクソーリッジ」「ゴールド」

 映画の感想をまとめておこうと思う。ネタは伏せつつ面白さを伝えるような器用なことも出来ないので、ネタバレ全開でいく。以下、続きを読む記法で。

ラ・ラ・ランド

 女優志望のヒロインとジャズピアニストを目指す男の話。本作は突然音楽とともに踊り出す、ミュージカルのような演出が特徴である。最初見た時は面食らったけど、ストーリーに併せて展開されるダンスシーンはとてもワクワクする。ストーリーや描写に陳腐なところも見受けられるけど、音楽の勢いで押し切ってしまう。何度も観たくなるような心地よさが良い。
http://gaga.ne.jp/lalaland/sp.html

「ハクソーリッジ」

 1945年、第二次大戦の沖縄戦で宗教上の理由から武器を持たずに衛生兵として戦った実在する人物の話。前半は宗教観に目覚める幼少の頃の話と、軍に志願して訓練施設での話。後半は沖縄での戦闘シーン。

 何と言っても、戦闘シーンが激しくてグロい。血は飛び出し、手足は千切れ、内臓も飛び出す中、銃弾が飛び交う。しかし、これは実話なのである。

 監督のメル・ギブソンは人格は最低と呼ばれており、アル中で傷害事件も起こしている。そんな監督の撮った戦闘シーン、絶対楽しんで撮ってるだろというくらいにグロいのだが、実話なのである。沖縄から帰還した米兵の多くがPTSDになったというのも頷ける。

 生き地獄とでもいうべき惨状が酷くなればなるほど、主人公の宗教観が際立つ。なぜそこまでするのか、なぜこんな状況でも助けようとするのか。宗教とはかくも人を強くするのか。

 戦争映画として見ると、その後の原爆投下や沖縄での一般人の被害などを全く描いていないが、それが良い。政治的・イデオロギー的な主張を一切挟まずに、主人公とその周囲の事実だけを淡々と描写する。ドキュメンタリー映画はこうあるべきだ。
http://hacksawridge.jp

「ゴールド-金塊の行方-」

 鉱山開発会社を父親から引き継いだものの、経営は芳しくない。起死回生をかけて金を発掘する話。

 旧知の地質学者マイクを求めてインドネシアに向かい、熱く熱意を語り彼を説得する。先物取引で資金を調達して、ジャングルの奥地で試掘を始める。紆余曲折あり、サンプルから金の含有が確認されると株価は急上昇し、主人公は成金になって札束を振り回す生活を送る。

 しかし、サンプルの金は偽装であることが判明し一転して一文無しになしに。友情を誓ったマイクも株を売り払い姿をくらます。しかしラスト10秒、マイクからの手紙を開けると、最初の約束通り利益の半分の金額が記された小切手が入っていた。

 詐欺により株価を釣り上げたというのは実話を元にしている。しかし、本作の主人公は不甲斐ない中年オヤジという感じで、詐欺師には見えない。むしろ、騙されて踊らされた被害者という感じだ。
面白いのは周囲の人間が手のひらを返したような態度をとる所。バブルはこうして起こるのかと、よく理解できる。

 作品として見るとドンデン返しの連続で観客を裏切る展開はハラハラするし、主演の主人公の演技がまた良い。ラスト10秒のドンデン返しも痛快である。
http://www.gold-movie.jp/sp/